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KABA-BAG

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2010年 10月 05日

第32章 そして私の名を呼べ

診察券を受付に出したのは11時35分だった。
待合室は混みあっていた。
中庭に面した明るく大きな曇りガラスの前に1人掛けのソファを見つけ、腰を下ろした。
悪くない座り心地だ。
持ってきた本を取り出し、深く座り直してから読みはじめた。
すぐに----或は彼女がそう感じただけかもしれない-----温かい飲み物が欲しくなったが、
自動販売機はそこから見える場所には無く諦めるしかなかった。

 時計は黙々と時を刻み、ふと顔を上げるとここで2時間を過ごしてることを示していた。
待合室はいつもよりずっとしんとしているみたいだった。いささかしんとしすぎている。
この静寂がまだ暫く続く事を彼女は知っていた。どうしてそれがわかるのか、理由はうまく説明できない。
それでも彼女はソファに座り続け自分の名前を呼ばれるのを待たなければならない。
なんとしても。
第32章 そして私の名を呼べ_c0185674_17292862.jpg

読みかけの1Q84も読み終えてしまい、セルフハルキ(笑)してみたり。
「いつもの秋の花粉症」なので薬だけでいいんですが、春以降来てなかったので診察の必要もあり。
混んでるのを分かってて受付済ませて、そのまま本を読み耽っちゃいけませんね。
気が付くと「やっぱ今日はやめて出直そう」ではなく「ここまで待ったんだから!」って位の時間が過ぎてました。
結局病院を出たのは2時過ぎ。お昼も食べずに2時間半。いや〜も〜まいったね。
まあいい。じっくり本が読めたし。
「病院の待合室で村上春樹を読了」ってなんかとっても「秋」っぽい気がする?(笑)

by kaba-bag | 2010-10-05 17:47


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